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田川建三著「書物としての新約聖書」 新約聖書はどのようにして一冊の書物として完成したのか?その基本的問いへの答え

小宮山書店3階、キリスト教関係コーナーより、おすすめ本の紹介です。

「書物としての新約聖書」 田川建三著 勁草書房 2001年
カバー・帯付 小口少汚れカバー背少ヤケ有
6,000円 御注文はこちらよりどうぞ

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 当たり前ですが、新約聖書は一冊の本です。本である以上、それは誰かが書き、そして編集・編纂をして、今現在このような形で存在し、世界中で読まれているのですが、まず、そもそも誰が書いたのか、そして、なぜこのような形で編集されたのか、という基本的な疑問があります。
 たとえばイエスの生涯を描いている福音書は、4つも入っています。マルコ・マタイ・ルカ・ヨハネと、それぞれの視点から救世主イエス・キリストの生涯を物語っているのですが、そもそもなぜ4つも必要だったのでしょうか?1つではだめだったのでしょうか?あるいはもっと多く入れてはいけなかったのでしょうか?そしてさまざまな手紙・書簡集が加わり、最後に黙示録という、一読しただけでは、そしておそらく何度読んでもその真に意味するところは掴めないだろうこの黙示録で締めくくる、計27の章からなるこの書物、新約聖書には、さまざまな論争、正統と異端との争い、異なる宗派間の対立など、数多くの混乱した時代を乗り越えた末に、ようやく成立したという深い歴史が刻まれているのです。その複雑な歴史を紐解くことは、キリスト教自体の理解にもつながるはずです。

 そしてさらにそこで疑問に思うのは異端文書の存在です。現在の新約聖書に掲載されている27の文章が正統とみなされ、そこに入ることが出来なかった文章が異端とされたわけですが、むしろそれらを読み解くことでも、キリスト教という世界宗教成立のダイナミズムな歴史の流れを感じることが出来るかもしれません。

 ちょっと長くなりましたが、この本ではそういった歴史の流れや、キリスト教思想の成立過程などが、こと細かく解説されております。700ページにも及ぶ、かなり分厚い本ですが、当時の言葉の問題や、民族間の政治的・軍事的な対立に至るまで、キリスト教研究にはもちろんのこと、どのようにしてこの一冊の“書物”が成立したのか、という書誌学的な意味合いにおいても、大変興味深い本になります。
 当店3階、キリスト教コーナーにて販売しております。在庫は1点限りになりますので、お探しの方はお早めにどうぞ。品切れの際は、ご了承下さい。
 以上、どうぞ宜しくお願い申し上げます。

担当 内野

 

 

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2010 年 9 月 21 日