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三島由紀夫 「盗賊」サイン本の紹介です。Yukio Mishima ”Thieves”

2020 年 9 月 20 日 | カテゴリー : 新着・おすすめ商品, 未分類, 日本文化, 文学・人文

 

この「盗賊」はフランス文学者の山内義雄氏宛にサインされた献呈署名本です。

山内義雄氏といえば白水Uブックスの「チボー家の人々」や岩波文庫「モンテクリスト伯」などの長編の翻訳で知っている人は多いと思います。「盗賊」はフランスのレイモン・ラディゲの影響を受けた作品と言われていますが、その長編小説をフランス文学者に贈った事実をこの本に見て取れます。処女長編作として大変な労力と時間を費やして書き上げた成果を、フラン文学者の眼で批評してもらいたかったのかもしれません。

後年「盗賊」の創作ノートが「肉筆版 創作ノォト」限定三千部(プリント付)に原本よりの復刻版として出版されました。

この本のリーフレットに「盗賊ノオトについて」と題した一文が掲載されています。「だから、このノオトを世に送る唯一の理由は、小説を書くごく若い人たちに示して、最初の長編小説を書くことの、精神的困難と技術的困難のあとを如実に見てもらひ、いかにその制作が、不断の自己弁護に裏付けられねばならなかったかを読みとってもらって、以て後車の戒めとしてもらふことにしかないでせう。」とあります。普通なら人に見せる事のない「創作ノオト」を開示することによって、完成された「盗賊」と最初の構想との比較検証が可能になります。そのことによって見えてくる長編小説を書きあげる過程や困難を読み取ってもらう事が唯一の目的と言う事でしょうか。

 

「大蔵省に勤務していた頃の三島由紀夫」1947年

「盗賊」の書き出しは1946年正月、中絶(第四章未定稿まで)1946年夏、第五・六章(完結)1948年春。

たしかに「盗賊」は大変な難産といえる作品でした。三島由紀夫にしては珍しく改稿を繰り返していて、一時完成を諦めた事もある様です。恩師の川端康成に何度も原稿を見てもらい多くの助言や力添えの後に遂に完成を見ることになるのでした。後にこの小説を書いているときに死を意識していたことを告白しているのは、執筆が難航した為なのか、作品の悲劇性からなのか分かりませんが、作家が一つの長編を書き上げる事の大変さと凄みを表している一言だと私には思われます。(「盗賊」を遺書として書いていたという説もあるようです。)

「1948年頃の三島由紀夫」

「盗賊」は三島由紀夫にとって処女長編として重要な作品であると共に、精神を表現する文章の新しさに川端康成もその才能を認めている作品になります。山内義雄氏宛のサイン本は当然、世界に一冊しかありません。是非ご注文をお待ちしております。

 

 

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