こんにちは、小宮山書店です。
本日は中2階より、三島由紀夫著『癩王のテラス』の装幀に使用された司修 (Osamu Tsukasa)の原画をご紹介いたします。
『癩王のテラス』は三島由紀夫が手掛けた最後の戯曲で、三島が亡くなる前年の1969年7月に初演が行われました。この作品は、三島が1965年にカンボジアを旅行した際に訪れた、アンコール・トムの遺跡の情景から着想が得られています。灼熱の太陽の下に黙然と座っている塑像を目にした三島は、バイヨン寺院を造営し癩病を患っていたという伝説を持つ、かつてのカンボジアの王・ジャヤ―ヴァルマン7世の姿を夢想したと言います。
1969年に中央公論社から刊行された書籍『癩王のテラス』には、アンコール・トムを始めとするカンボジアの写真やアンコール・トム付近の地図と共に、戯曲の脚本と著者によるあとがきが収録されています。
装幀を担当した司修は、この戯曲の華々しさと夢想的な世界観を表紙画と背表紙画に表現しました。実際の函の装幀は赤地に金刷りで、原画とはまた異なった雰囲気の仕上がりとなっています。
司修作の画稿2枚と、『癩王のテラス』初版本のセットでの販売です。三島由紀夫の最期を彩った記念碑的作品の貴重な原画となっております。ぜひこの機会にご検討くださいませ。
三島由紀夫 絵:司修
Yukio Mishima Illustration: Osamu Tsukasa
司修画稿「癩王のテラス」(表紙図・背表紙図 2図 初版本セット)